理事長対談 ~医師 青柳直樹先生(ドクターメイト)~

千歳会本部

 

 

 

第9回

現場の安心を生み出すためのサービス。医師の青柳直樹さんと

「医療×介護」について意見を交わしました!

 

 

オンコール代行や医療的な判断を医師がオンラインで診てくれるサービスを展開する「ドクターメイト」代表の青柳直樹さん。

進化する業界とは? 安心して働ける職場になるには?

 

 

 

〇対談相手

青柳直樹さん

「ドクターメイト株式会社」代表取締役。皮膚科の医師。千葉大学医学部卒業後、千葉県内の病院に勤務。

2017年ドクターメイト創業。土日には、外来診察・介護施設への往診も行う。

 

 

 

ちょっと意外なドクターメイト発足時のこと

                                  

 

理事長(以下、左) 今日は楽しみにしていました。最初に、ドクターメイトについての事業について教えていただけますか?

 

青柳直樹さん(以下、青) 介護施設の抱える医療的な課題を、オンラインの仕組みを使って解決していくサービスを提供しています。たとえば、ご利用者さんが健康上に問題があったとき、施設で連携している医師の専門外の部分になると、病院に受診に行くじゃないですか。

 

 けっこう時間取られちゃいますよね。

 

 そうです。半日がかりになったり、その間の現場の職員数が減るという面でも大変ですよね。ドクターメイトは、それを施設にいながらして、専門医師が受診をする「オンライン診療」が受けられるサービスです。

 

 ほう。

 

 あとは、夜間ですね。特に医療者が少ないとき、365日我々の方で医療グループを組んでいますので、相談していただいて、電話やテレビ電話で状況を見せてもらって、緊急性の判断や対応のアドバイスをするということもしていますね。

 

 経営の立場からも、現場の不安を解消できるところにサービスのよさを感じますね。私は、職員には仕事をする8時間は目一杯がんばってもらって、その後のオフの時間にはなるべく仕事を忘れて過ごしてほしいんです。安心してゆっくり眠れていますっていう状態を法人がフォローできているかなって。もちろん、人相手の仕事だし、身体の具合が悪いお客様のことを気にする気持ちもあるでしょう。だからこそ、そこをしっかりとカバーしてくれるものがあれば、安心してオンとオフを切り替えることができるんじゃないかと。

 

 素晴らしいですね。

 

 青柳先生は、なぜこの会社を始められたんですか?

 

 ……若気の至りとして聞いていただきたいのですが、千葉大学の医学部を卒業してずっと千葉で病院で働いていたんですが、そこには介護施設からの外来入院が非常に多かったんです。そこで、同行していた職員さんを怒っちゃってたんですよ。

「なんでこんなになるまで連れてこなかったんですか!」とか、退院後の処置についても「これくらいできるでしょ」ってことを職員さんに言っちゃってたんです。

 

 へえ!

 

 恥ずかしい過去です……。というのも、医者って介護のことをほとんど勉強しないんです。病院の延長だと思っている。「医者も看護師もいるんだから、できないことないでしょう?」って思っていた。

だけどあるときに、これは僕の認識が違うのかもしれないって思ったんです。そこから「勉強させてください」と介護施設に行ったのが始まりです。

 

 意外ですね。

 

 そこで初めて現場を知ったんですよね。嘱託の先生はいるけれど、対応するのは週に1日か半日ぐらい。看護師さんもいるけれど、昔と比べて介護度も上がって生活の中の半分は医療対応が必要になってきて、現場のみなさんも困っている……とか。

現場の医療を支えるしくみがないんのが問題だと気づきまして。介護現場からわざわざ連れて行くという遠い存在ではなく、すぐに相談できる仲間のような存在のドクターが必要なんじゃないかと。それで「ドクターメイト」という会社をつくりました。

 

 なるほど。メイトは「仲間」っていう意味ですもんね。

 

 

 

 

介護と医療はひとつのチームである

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 先生がおっしゃるように、これまでは介護と医療が分断されていた過去があると思うんです。上下関係と言ってしまってもいいかもしれない。だけど今、千歳会のなかでもその考え方がどんどん変わっていると感じます。介護はサービス業であり、サービスを受けるお客様の可能性を広げるために我々がいるんだよね、という機運を。リスク管理をしながら、どこまでやりたいことができるか。看護師と介護職、それぞれの立場で補えるようになってきたなと。

 

 そうですね。私も、医療と介護は別々ではないと思います。施設に入居されている方々にとっては、両方必要なものですし。本来、切り分けられるものではないんですよね。

 

 なるほどなあ。そこをドクターメイトさんが橋渡しの役割も果たしてくれている、と。今後について、もうすこしお聞きしたいんですが、今後は事業の横展開、ITシステムのバージョンアップ、どちらをお考えですか?

 

 そのどちらも考えています。現在は1000施設にご利用いただいていますが、全国の施設数からしたら、道半ばです。利用施設を増やしていきたいですね。さらには、導入してくださった方々にヒアリングすると、次々と課題が出てくるのでその解決を提案したくなっちゃうんです。

 

 サービス提供者の鏡ですね。どんなことを?

 

 たとえば、いままでは夜間はお電話で判断していたんですが、現場に直接うかがう「かけつけ」も我々の方で始めています。あとは千葉と埼玉でお看取りも対応しています。

 

 ドクターがいるから、それができるんだ。なるほどなあ。今回お話を聞いて、決して楽をしようとして入れるサービスではないことがよくわかりました。より質の高いケアをするためのドクターメイトであると。

……これは僕の葛藤でもあるんですが、法人の今後として、このサービスを現場で検討して、「これはこのために入れたいんです!」という職員が出てきてくれたら嬉しいなあと思っています。これまでも「理事長が言っているから」で取り組んできたことはある。だからこそ、サービス導入をこちらにプレゼンするチームが出てきてくれたら、頼もしいし、いくらでも話を聞きたいと思いますね。

 

 経営者と現場の方々の意見はこれまでもたくさん聞いてきましたので、お気持ちはわかりますよ。私たちも、理事長のお気持ちを尊重します!

 

 ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いします……!

 

 

 

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今回対談いただいた青柳直樹さんが代表を務める

「ドクターメイト」については、こちらをご覧ください★

〈 解説動画はコチラ 

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