こんにちは、デイサービスセンターちとせです。
当デイサービスでは、脳卒中(脳梗塞や脳出血)の後遺症で、
片麻痺(半身麻痺)があるご利用者様のリハビリに力を入れています。
「もう一度、自分の足でしっかり歩きたい」 そんな願いを叶えるために、
私たちはただ漫然と歩くのではなく、
「脳の仕組み」と「体の反射」を利用した、少し特殊な歩行トレーニングを行っています。
今日のブログでは、動画でご紹介している歩行訓練の中に隠された、
「3つの工夫」について解説します。
一見すると「えっ、杖を使わないの?」「足を滑らせるの?」と不思議に思われるかもしれませんが、
すべてに医学的な理由があるのです。
① なぜ、あえて「杖を使わない」のか?
~脳の「綱引き」バランスを整える~
通常、足元のふらつきがある場合は杖を使いますよね。
しかし、私たちのリハビリ場面では、あえて「元気な側の手で杖を使わない」ことがあります。
これには「脳の半球間抑制(はんきゅうかんよくせい)」という難しい仕組みが関係しています。
少し想像してみてください。人間の脳は右と左に分かれていて、お互いに連絡を取り合っています。
脳卒中で片方の脳がダメージを受けると、元気な方の脳が頑張りすぎてしまい、
ダメージを受けた脳に対して「お前は休んでいろ!」と、
活動を抑え込んでしまう現象が起きることがあります。これを「抑制」と呼びます。

もし、リハビリ中に元気な手で杖を強く握りしめて頼りすぎてしまうと、
元気な脳ばかりが働いてしまい、麻痺している側の脳がいつまでも目覚めてくれません。
そこで、私たちは安全を確保した上で、あえて杖を使わず、
「麻痺している側の足にしっかり体重を乗せる」ことに集中してもらいます。
これにより、眠っている脳を「起きて!出番だよ!」と叩き起こし、回復を促しているのです。
② 「一定のリズム」が歩くスイッチを入れる
~体に備わった「自動歩行プログラム」~
次に、動画の中で私が「はい、イチ、ニ、イチ、ニ」と声をかけ、
「一定のスピード」で歩くように誘導していることに気づきましたか?
実は、人間の背骨(脊髄)の中には、「CPG(歩行誘発野)」と呼ばれる、
歩行のリズムを作る「自動スイッチ」のような場所があります。

皆さんも、考え事をしながらでも歩けますよね? あれは、脳が細かく指令を出さなくても、
一度スイッチが入れば脊髄が勝手に「リズムよく足を動かせ」と指令を出してくれているからです。
脳卒中後のリハビリでは、ゆっくり慎重に歩きすぎると、かえってこの「自動スイッチ」が入らず、
カクカクとしたぎこちない動きになりがちです。
そこで、私たちが誘導して一定のリズムとスピードで歩いてもらうことで、
脊髄にあるスイッチをONにします。そうすることで、無意識に近い感覚で、
なめらかに足が出るように練習しているのです。
③ 「足を滑らせる」魔法の工夫
~悪いクセがつくのを防ぐ~
最後の工夫は、足元です。麻痺側の足の下に、滑りやすいシートなどを敷いて練習することがあります。
麻痺があると、どうしてもつま先が上がりにくくなります(下垂足)。
その状態で無理に歩こうとすると、つま先が地面に引っかかるのが怖いため、
無意識に以下のような動作をしてしまいます。
・腰を大きく引き上げる
・足を外側に大きくぶん回す(分回し歩行)
一度この「代償動作(だいしょうどうさ)」と呼ばれる変則的な歩き方のクセがつくと、
修正するのは大変です。変な歩き方は膝や腰を痛める原因にもなります。
そこで、私たちは「足先だけを滑りやすくする工夫」を取り入れています。
あえて床との摩擦を減らし、スケートのように足がスーッと前に出る環境を作ります。
こうすると、つま先が引っかかりません。
「引っかかるかも」という恐怖心を取り除くことで、足を外側にぶん回したりせず、
「まっすぐ前に足を出す」という正しい軌道を脳と体に覚えてもらうのです。

最後に
いかがでしたか? 動画の歩行訓練は、ただ歩いているように見えて、
実は脳科学と運動学に基づいた緻密な計算の上に行われています。
1.脳のバランスを整えるために、杖に頼りすぎない。
2.脊髄のスイッチを入れるために、リズムよく歩く。
3.変なクセがつかないように、足を滑らせて正しい軌道を描く。
この3つを組み合わせることで、私たちは利用者様が「きれいに、楽に」
歩けるようになる日を目指してサポートしています。
「もっと詳しく知りたい」「実際のリハビリを見てみたい」という方は、
ぜひお気軽に見学にいらしてください。一緒に、可能性を広げていきましょう!
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通所介護 デイサービスセンターちとせ(定員 35名)
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